認知療法と対人関係療法
「認知」とは、
ものごとのとらえ方、受け止め方の事ですね。
これにゆがみがある事が、
鬱病の背景にあるという考え方にもとづき、
これを修正していく治療法なんです。
例えば、鬱病の人には、ものごとを何でも否定的・悲観的に
とらえる傾向があり、いったん考え出してしまうと
どんどんとマイナス方向に向かい、憂鬱になってしまうんですね。
また、何でもはっきりと白黒をつけようとする「二分性思考」、
関心事を大げさにとらえてしまう「拡大解釈」、
一つの真実だけで全てを同じだと結論づける「極端な一般化」。
これらも、鬱病に見られる
認知のゆがみの代表的なパターンなんです。
認知療法が適しているのは、
軽症鬱病や神経症に近いタイプなんですね。
抑鬱が強い時や思考力が低下している時、
妄想やあせりなどがあって自殺の可能性がある時、
双極性の鬱病には不向きなんです。
鬱病の発症には、
人間関係の問題からくストレスが関わってくる事が
多いものなんですね。
人間関係が上手くいかない時、
自分の悪いところは見ないフリをして、相手に対して腹を立てる事は、
誰でも無意識にやってしまう事がありますね。
そこで、対人関係においての、
患者さんの心理や交流パターンを分析し、
問題を解決していくのがこの治療法で、「交流分析」とも言われています。
具体的な治療では、
テーマを患者さんの現在の対人関係にしぼって
医師の面接を行うんです。
職場や家庭で不満に感じている事、
具体的な状況を話してもらい、そこで交わされる言葉や態度、
行動を分析して、問題点を探ります。
その問題点を改善し、
人間関係を修復する方法を探る過程で、
本当の自分に気付き、鬱病を良くしていくんですね(^-^)