他の精神療法で治療するケースもある
鬱病の症状が、それぞれの患者さんによって異なるように、
治療法にもいろいろなタイプのものがあり、
効き方も違うんですね。
精神療法でも、基本的な支持療法だけでなく、
患者さんに合わせた治療法で、
治療を進めていく事がよくあるんです。
また、回復の段階によって、
その時期に最適なものへと治療法を
変えていく事もあるんですね。
●内観療法
過去の行動や、自分が育った過程について徹底的に回想して、
かつての自分が、誰かに「してもらった事」「してあげた事」
「迷惑や心配をかけた事」を思い出します。
自分の考え方や感情がどんな風に形成されたかを、
自分自身で探る方法です。
一定期間、静かな落ち着いた場所で行うのが普通です。
●森田療法
日本で開発された療法で、
神経症に適していると言われています。
なにごとにも「こうあるべきだ」という考え方にとらわれてしまう性格傾向と、
それを抑えようとして悪化するという悪循環を断ち切る事で回復をはかります。
あるがままの自分を受け入れて、様々な体験・経験をしながら、
それでも日常生活はできると実感する事で心の元気を回復させます。
●行動療法
心理よりも、その人の行動パターンに注目する治療法です。
これまでの経験や人生によって身についた、
不適切な行動の習慣が、
心の病気の背景にあるという考え方です。
まず、現在の行動パターンの問題点を見つけ、
どんな行動をすればよいのかを考えます。
望ましい行動が分かったら、それを練習し、
習得して、これまでの行動におきかえる事で、
自信をつけさせ、鬱状態の改善を目指します。