「眠らない」、「途中で起こす」断眠療法
鬱病の症状やタイプによっては、
薬物療法や精神療法以外の
特殊な治療法が行われる事があるんです。
断眠療法は、鬱病の背景に、
睡眠・覚醒リズムなどの毎日の生体リズムの障害が
関係しているという考えが基本になっているんですね。
鬱病の患者さんに、よく眠った翌日は抑鬱がひどいというパターンがある事や、
健康な人でも、徹夜明けに気分が高揚して、
心も体も浮き立つような感じがある事を応用したものなんです。
具体的な治療法には、
「全断眠」と「部分断眠」の二種類があるんです。
全断眠は、一晩完全に徹夜して、
翌日も夜まで眠りません。
約四十時間、
全く眠らないで過ごすんですね。
部分断眠は、普段通りに就寝して、
夜中や明け方など、通常より三ー四時間早く起きるんです。
どちらの治療も専門医の監視のもとで行われ、
起きている時間には散策やゲームなどをして過ごすんですね。
鬱病では、睡眠障害があらわれる事が多い事から、
睡眠と覚醒のリズムを人為的に操作して、
病気の改善を目指すものなのです。
副作用もなく、多くのタイプの鬱病に対応しますが、
効果が一過性で長続きしないという弱点があるんですね。
繰り返し行ったり、
薬物との併用で再発予防が期待できるのです。