高照度光照射治療と電気ショック療法
鬱病の中でも、秋から冬にかけての日照時間が少なくなる季節に鬱状態になり、
日がのびる春から夏には症状が軽くなるものを、
「季節性感情障害」と言うんです。
太陽光線に当たる時間が減る為にホルモンの分泌や
体温のリズムが乱れる事が原因と考えられています。
この症状に対して行われるのが、
人工的に強い光を当てる、
高照度光照射治療なんです。
通常の屋内の明るさは300ー500ルクスですが、
この治療では2200ー3500ルクスの光を照射して、
人為的に日照時間を増やすんですね。
この療法は、光療法とも言い、
季節性感情障害には薬物治療よりも
効果があると言われているんです。
また、他のタイプの鬱病でも、朝から午前中に鬱が強く、
夕方からは元気が出るという症状の人が、
朝、光療法を行うと効果があるんですね。
鬱病の薬が開発される前からあり、
しかも効果的な治療法とされていたのが、
電気ショック療法なんです。
患者さんの頭部に電極を取り付けて、
100ボルト前後の電流を、二ー三秒間通すんです。
これによって、てんかん発作のようなけいれんを起こさせ、
そのショックによって鬱状態が軽くなるというものなんですね。
電気ショック療法は全身麻酔をかけて行われる為、痛みも感じず、
電流の強さも患者さんに合わせて安全な量が計算されるんです。
安全性は保証されているのですが、
名前のイメージなどから
日本ではあまり実施されていないんですね。
しかし、抗鬱薬が効きにくい鬱病の場合、
この療法が有効なんです。
また、自殺の危険性が高い時や、いくつかの抗鬱薬を試しても効果がなく、
治療が長引いている時、即効性が必要で抗鬱薬の効果があらわれるのを
待てないケースなどでは、この治療法が選ばれているんですね。